SCPで英語を読もう:第五回 SCP-871(2)

それじゃあ今日も「景気のいいケーキ」 いってみよ~

 

まずは本文

Class D personnel who prove cooperative in the consumption of an instance of SCP-871 may volunteer to participate in additional consumptions. Personnel exhibiting exceptional usefulness may have their monthly termination postponed. Such personnel are under no circumstances to be allowed to interact with any other SCP object.

No desserts of any kind are to be served on-site at any facility housing a recurrence of SCP-871.

Description: SCP-871 is a collection of 237 cakes. Instances of SCP-871 vary widely in appearance and size, covering the entire range of foods described by humans as "cake". The smallest observed instance of SCP-871 was a miniature cupcake with a mass of 15 grams. The largest yet observed was a 22-kilogram baumkuchen measuring 2 meters in length.

 

続いて単語の確認。

prove   証明する

cooperative 協力的

volunteer  志願する

exhibit           示す

exceptional 特別な

postpone  延期する

such   こうした

appearance 外見

entire   全ての

 

英検二級レベルの単語が多いね。日常会話に頻繁に出てくる語彙では無いけど難関大学の受験には必須の単語だから、知ってる人も知らない人も確認しておこう。

 

読解編

 

Class D personnel who prove cooperative in the consumption of an instance of SCP-871 may volunteer to participate in additional consumptions.

SCP-871の消費作業に協力的な態度を示したDクラス職員は追加の消費作業に志願する事ができます。

 

 

この文の主語はClass D personnel who prove cooperative in the consumption of an instance of SCP-871  長いね。

Class D personnel     Dクラス職員       どんな?

who prove cooperative  協力的な態度を示した   何に?

in the consumption     消費作業に         何の?

of an instance of SCP-871 SCP-871の生成物

 

と4つのパーツに分割すると理解しやすくなるかな。

 

「ボランティア」って単語はみんな知ってるよね。日本語だと基本的に奉仕的な無償労働を指す言葉。

英語のvolunteerはもう少し意味が広くて、名詞としては「志願者」として使います。授業中に問題答える人募集して先生が" Volunteer?"って聞いたりね。この文中では動詞として用いられていて、「志願する」。

 

 

Personnel exhibiting exceptional usefulness may have their monthly termination postponed.

特に有用だとみなされた職員については、月例解雇を延期することができます。

 

 

主語Personnel exhibiting exceptional usefulnessは直訳すると「すぐれた有用性を示す職員」

terminationは既に触れたように財団用語で「解雇」

postponeは会議などのスケジュール説明に使うから、TOEIC頻出単語の一つだよ。

 

 

Such personnel are under no circumstances to be allowed to interact with any other SCP object.

そのような職員はSCP-871を除くあらゆるSCPオブジェクトとの接触を禁じられます。

 

 

う、ちょっと説明の仕方が英語的で難しいね。circumstanceは「状況」 under circumstancesは「(....という)状況下で」

noを挟んだこのunder no circumstancesは「どんな状況下でも~ない」という内容を表現しています。そして否定されているのは...

to be allowed 受動で「許可される」

to interact  接触する事を

with any other SCP object 他のあらゆるSCPオブジェクトと

よって直訳すると「そのような職員は、どのような状況においても他のあらゆるSCPオブジェクトとの接触を許されることはありません。」

 

 

 

No desserts of any kind are to be served on-site at any facility housing a recurrence of SCP-871.

あらゆる種類のデザートは、SCP-871の生成物を収容している全ての施設で提供されることが禁止されています。

 

 

 

英語のnoの使い方は日本語と少し考え方が違うから難しいね。日本語では「デザートを提供しない」  提供する、という動詞の方に否定の-ないが付くよね。英語ではこの場合名詞に否定が付く場合があるんです。例えば...

I have no brothers.       :  I don't have brothers.と同義

Japan has no army. : Japan doesn't have an army.と同義

kindは「種類」だから、提供されないのは「あらゆる種類のデザート」だね。

 

その後に続くのはまたbe to be構文で are to be served。 義務を表し「提供されなければならない。」 ここも主語にnoが付いてるから意味は反対で、「提供されてはならない」   今まで意識したこと無かったけどホントbe to構文頻出するなあ。

 

facility housing a recurrence of SCP-871 は先程出てきたように名詞+動詞の-ing形で「~している〇〇」   この場合「収容している施設」。これは関係代名詞を使うと "facillity which houses a recurrence of SCP-871"と言い換えることができるね。

 

 

 

Description: SCP-871 is a collection of 237 cakes.

概要:SCP-871は237個のケーキからなるコレクションです。

 

 

Instances of SCP-871 vary widely in appearance and size, covering the entire range of foods described by humans as "cake".

SCP-871の生成物は大きさや外見を幅広く変化させ、人間によって「ケーキ」と表現されるあらゆる形態の食品を含みます。

 

 

varyは「変化する」という動詞。「とても」を意味するveryと間違えちゃだめだよ。

そんな間違いする人間がいるのか?  いるんだなここに

この単語から派生した名詞はvariation「バリエーション」、variety「バラエティ」あたりがあるね。

 

さて、この文の後半もいつもどおり分割して読んでみよう。

covering the entire range 全ての範囲を含む(カバーする)  何の範囲?

of foods  食べ物の    どんな?

described by humans as "cake"  人間によって「ケーキ」と描写される。

このdescribedは以前取り上げた、名詞+ing形で「~する〇〇」、ing形でなく過去分詞を使うことで「~される〇〇」という受動表現だね。

 

 

The smallest observed instance of SCP-871 was a miniature cupcake with a mass of 15 grams.

観測された最小の生成物は15gのミニチュアカップケーキです。

 

 

シンプルだね。 with a mass of 15 gramsは英語独特の表現。直訳すると「15gの重さと共に」  まあ言いたいことはわかるよね。

同様の表現は with a height of 1 metre 「1mの高さの」なんかも覚えとこう。

 

 

The largest yet observed was a 22-kilogram baumkuchen measuring 2 meters in length.

観測上最大の生成物は22kg、長さ2mのバームクーヘンです。

 

 

この文の主語は前文に出てきた instance of SCP-871であることが自明なので省略されてます。なので補うと The largest yet observed instance of SCP-871 「今までに観測されたSCP-871の生成物で最大のもの」 yetは「今の所」という意味を添えてるね。

 

measureは「~の値(長さ、重さなど)を持っている」という自動詞。こういう文法的な違いは日本語話者にとってちょっと馴染みづらいとこだよね。文法としてはシンプルで

measuring 「~の値を持っている」

2 meters  2mの

in length  長さにおいて

これが例えば in height だと高さを表すわけ。

ある言語で動詞一語で表される言葉が他の言語には相当する単語が無いって事ちょくちょくあって、これ見た時必ず戸惑うんだよね。例えばロシア語には「何々をするのに十分な時間を持っている」というのを一語で表す単語があります(успеть)

 

 

お疲れ様!今回もなかなか骨の折れるパートだったね。残りは二回くらいで消化しようかな?

今回の範囲をまとめて眺めてみようか。

 

 

Class D personnel who prove cooperative in the consumption of an instance of SCP-871 may volunteer to participate in additional consumptions. Personnel exhibiting exceptional usefulness may have their monthly termination postponed. Such personnel are under no circumstances to be allowed to interact with any other SCP object.

No desserts of any kind are to be served on-site at any facility housing a recurrence of SCP-871.

Description: SCP-871 is a collection of 237 cakes. Instances of SCP-871 vary widely in appearance and size, covering the entire range of foods described by humans as "cake". The smallest observed instance of SCP-871 was a miniature cupcake with a mass of 15 grams. The largest yet observed was a 22-kilogram baumkuchen measuring 2 meters in length.

 

 

SCP-871の消費作業に協力的な態度を示したDクラス職員は追加の消費作業に志願する事ができます。特に有用だとみなされた職員については、月例解雇を延期することができます。そのような職員はSCP-871を除くあらゆるSCPオブジェクトとの接触を禁じられます。

あらゆる種類のデザートは、SCP-871の生成物を収容している全ての施設で提供されることが禁止されています。

概要:SCP-871は237個のケーキからなるコレクションです。SCP-871の生成物は大きさや外見を幅広く変化させ、人間によって「ケーキ」と表現されるあらゆる形態の食品を含みます。観測された最小の生成物は15gのミニチュアカップケーキです。観測上最大の生成物は22kg、長さ2mのバームクーヘンです。

 

いや~、一文ずつ訳していってそのまま並べると、やっぱり全体としては少しぎこちなくなるね。実際の翻訳作業ではこうやって全体を眺めて、まとまりを保てるよう工夫したい。

特に気をつけたいのは同じ言葉の繰り返し。同じ単語を何度も繰り返したり、「~です。~です。」って語尾を多用しすぎたりするとどうしても美しい文から離れてしまうので、推敲するときには意識したいポイント。この辺りのセンスってのが、今のところ機械翻訳と人間の翻訳を分ける大事な点じゃないかと思ったり。

 

それじゃあまた来週!(来週になるとは言ってない)

質問、意見はコメント欄でもTwitterでもどうぞ。

 

メモ:幻覚剤の旅。人格を解放するプロセス

世の中の全てを疑ったデカルトはこう言った。

         我思う、故に我あり。

その我 ― Egoへの不信を抱いた時、人間は人間でいられるのか?

 

 

幻覚剤を説明する時、「意識を解放する」というフレーズはあまりにもチープだが、同時にこの上なくシンプルに、そして正確にその性質を表していると言わざるを得ない。

 

意識の解放 ──── それは自分の感覚への不信から始まる。

 

人間は空想の中に生きることができる。それでも、自身の感覚を信じる事で意識は現実に繋ぎ止められる。身体感覚はいわば命綱として働いている。それはどんな状況でも、自分が現実世界にいると安心できる命綱。今この目で見ている、この耳で聞いている、この手で触っているものは現実なんだ、という思い込みの上で人は生きている。

幻覚剤は視覚を変化させる。聴覚を、味覚を、時間感覚を、何一つ自分の知覚するものに真実など無いことを眼前に突きつける。命綱を失い、寄り掛かる壁を失い、ただ一人不安定な足場に残された人間は恐ろしい不安、孤独感に包まれる。

 

そして彼は地図のない平野へ飛ぶ。

 

高い壁に囲まれた道。外を覗くことすら許されない一本道。彼はもうその安寧に戻れない。

 

 

 

ドラッグによる恍惚状態は多くの場合「飛ぶ」と表現される。

対して幻覚剤によるトリップを、人々は「ダイブ」と呼ぶ。感覚への不信が生まれ、外に寄りかかるものが無いと知った時、人間の意識は内面へ、自分のナカへ深く、深く潜っていく。

自身の力で探索を進めない限り、そこはただの暗闇に過ぎない。そこに何があるか誰かが指し示してくれる訳ではない。出口すらわからない。

 

幻覚剤での旅に「ガイド」が付くことは多くの場合望ましい選択だ。ジョン・C・リリーのLSD体験を読んだ者なら、経験豊富なガイドがトリップをどう支えてくれるかわかるだろう。

 

幻覚剤はあらゆる思い込みから精神を解き放つ。そこには物理的な制約が存在しない。ワタシの身体はこのサイズの空間を占めている?その身体は一つしか存在しない?その根拠をワタシは求めたことがあっただろうか。ワタシは4つの声帯から発声し、8つの鼓膜で返答を受け取った。収まるべき場所を失った意識は空気に溶け込み、対流に乗って部屋へ広がっていく。

 

それは意識の解体。人格が溶けていくという解放。そして彼は模擬的な死を経験する。

 

 

 

 

全てを見、聞き、味わった彼は再び現実へと戻ってくる。その外見に変化はない。そしてその精神は、不可逆的に変化している。

知ってしまった世界を忘れることはできない。その全てを記憶の果てに置き去りにすることはできない。

彼は今までと変わらぬ世界を生きていくだろう。人とは違う物を見ながら。

SCPで英語を読もう:第四回 SCP-871(1)

ウィス。

今日もいってみよー

 

まずは原文

 

SCP-871
 
Cake.jpg

An instance of SCP-871

Item #: SCP-871

Object Class: Keter

Special Containment Procedures: Each recurrence of SCP-871 is to be maintained within a separate, locked concrete cell on a metal platter permanently affixed to the surface of an immovable wooden table. Each cell housing a recurrence of SCP-871 is to be monitored on a 24-hour basis via closed-circuit camera, with individual feeds checked every 15 minutes.

Upon creation of an instance of SCP-871, 3 Class D personnel are to be escorted by armed guards to its cell, where they are to be sealed with the instance and induced to consume it. No more than one hour may be spent performing this task. In cases where additional motivation is needed, the termination of one of the Class D personnel assigned to an instance of SCP-871 is authorized. Upon completion of the consumption of an instance, no participants may exit the cell until both they and the room have been thoroughly searched to confirm that no portions remain. The platter, table, and room are then to be cleaned in preparation for the next instance.

Class D personnel who prove cooperative in the consumption of an instance of SCP-871 may volunteer to participate in additional consumptions. Personnel exhibiting exceptional usefulness may have their monthly termination postponed. Such personnel are under no circumstances to be allowed to interact with any other SCP object.

No desserts of any kind are to be served on-site at any facility housing a recurrence of SCP-871.

Description: SCP-871 is a collection of 237 cakes. Instances of SCP-871 vary widely in appearance and size, covering the entire range of foods described by humans as "cake". The smallest observed instance of SCP-871 was a miniature cupcake with a mass of 15 grams. The largest yet observed was a 22-kilogram baumkuchen measuring 2 meters in length.

When any instance of SCP-871 is consumed by a human or a collection of humans, it is replaced approximately 24 hours afterward with a similar cake. This cake will appear on a flat surface in the vicinity of the location where the previous instance was eaten. If any of these cakes is substantially damaged through any means other than being eaten by a human, including being eaten by a non-human animal, it will be replaced instantaneously. Instances recreated in this manner maintain the schedule of the original instance. The mechanism by which instances of SCP-871 are replaced is currently unknown.

Individual recurrences of SCP-871 have been observed to "mutate" over time, varying in minor characteristics between each instance, with larger changes occurring in roughly 5% of replacements. No deleterious effects have been observed to result from the consumption of SCP-871, even in cases where several instances have been consumed, excepting those expectable from eating large amounts of cake.

SCP-871's danger originates in the consequences of an instance not being eaten. Any instance of SCP-871 which is not consumed will cause a new cake to be created in its vicinity after 24 hours. While this is similar to its normal "replacement" behavior, the original instance will continue to exhibit the same properties, replicating if damaged and continuing to "replace" itself every 24 hours. This behavior has been observed in all cases where more than 10% of the mass of an instance remained unconsumed. As there is no known mechanism for halting SCP-871's replication, any uncontained instances could replicate exponentially, quickly becoming unmanageable. No maintainable plans for the containment of more than 20,000 instances of SCP-871 have yet been devised. It is estimated that an uncontrolled outbreak originating with a single instance would render the earth uninhabitable within 80 days.

 

 

 

...長いね。まあ4~5回くらいに分ければ行けるかな?それじゃあ改めて今日読む範囲を。

 

Special Containment Procedures: Each recurrence of SCP-871 is to be maintained within a separate, locked concrete cell on a metal platter permanently affixed to the surface of an immovable wooden table. Each cell housing a recurrence of SCP-871 is to be monitored on a 24-hour basis via closed-circuit camera, with individual feeds checked every 15 minutes.

Upon creation of an instance of SCP-871, 3 Class D personnel are to be escorted by armed guards to its cell, where they are to be sealed with the instance and induced to consume it. No more than one hour may be spent performing this task. In cases where additional motivation is needed, the termination of one of the Class D personnel assigned to an instance of SCP-871 is authorized. Upon completion of the consumption of an instance, no participants may exit the cell until both they and the room have been thoroughly searched to confirm that no portions remain. The platter, table, and room are then to be cleaned in preparation for the next instance.

 

よーし、まず単語の確認から行ってみよう!

recurrence    再発

platter      大皿

permanently   恒久的に

affix       貼り付ける

surface     表面

immovable    固定した

house      収容する

closed-circuit camera   有線カメラ

instance     実例

armed      武装した

sealed      封印する

induce      ~させる

consume     消費する

additional     追加の

authorize     承認する

completion    完了

consumption   消費

portion      一部分

 

だ、だいぶ難易度上がったね...。まあゆっくり見ていこう。

 

本文

...の前におっと。タイトル忘れてたね。記事書き終えて投稿直前に気づいたからここにねじ込んでおこう。

 

原題は Self-Replacing Cake『自己置換ケーキ』

日本語訳は『景気のいいケーキ

....。なかなか大胆な訳だね。SCP翻訳はしばしば翻訳者のユーモアセンスが遺憾なく発揮されるシーンが有って面白いところ。オリジナルと翻訳の違いを知っとくと、一粒で二度美味しい楽しみができるかも。

さて、気を取り直して本文に移ろうか。

 

 

 Special Containment Procedures: Each recurrence of SCP-871 is to be maintained within a separate, locked concrete cell on a metal platter permanently affixed to the surface of an immovable wooden table. 

特別収容プロトコル:SCP-871の各生成物は、移動不可能な木製のテーブル上に固定された金属製プレートの上で、分割、施錠されたコンクリートセルの中に収容されます。

 

早速ナチュラルな訳が難しい、長いセンテンスが出てきたね。少し分割しながら見てみよう。

Each recurrence of SCP-871がこの文の主語。recurrenceは「再現、循環」という意味だから上の訳はちょっと意訳し過ぎかな?という感じもある。既にオブジェクトの概要を知っている人にはなぜ「再現、循環」という単語が使われているかわかるよね。

to  be maintaind「維持される」だけどここでは「収容される」という言葉を使いました。動きのないものなら「保管される」でも良いかもしれないけど、この場合なんとなくそぐわない気がして... これは日本語のセンスの問題だから勿論違う感覚の人もいるかもしれないけど。

within「~の範囲内で」はSCP-173でも見た単語だよね。その後に続くのがオブジェクトの収容環境。

まず separate, locked concrete cell 「分割、施錠されたコンクリートセル」 cellは部屋、区画みたいな言葉かな。で、さらに収容環境の説明が続きます。

on a metal platter 金属製プレートの上で。どんなプレート?

permanently affixed to the surface of an immovable wooden table 直訳で「移動不可能な木製テーブルの表面へ恒久的に固定された」

permanentは「恒久的、半永久的な」。 -lyという接尾辞で形容詞から副詞になり、名詞ではなく動詞を修飾する単語になります。髪に当てるパーマは permanent waveの略。アイロン当てて一時的に作るウェーブと違ってシャワー浴びたりしてもずっと残るからこの名前になったんだって。

immovableという単語は分解するとim -mov(e) -able 。imは否定を表す接頭辞、-ableは「~出来る」という接尾辞。impossible「不可能」って単語はみんな知ってるよね。この単語と並べてみると同じ作りになってる。

 

Each cell housing a recurrence of SCP-871 is to be monitored on a 24-hour basis via closed-circuit camera, with individual feeds checked every 15 minutes.

SCP-871を収容する各セルは24時間体制で有線カメラによって監視し、各映像は15分毎に確認します。

 

houseは「家」という名詞としてみんな知ってるだろうけど、動詞として「しまう、収容する」という使い方もされます。

この文の主語はeach cell housing a recurrence of SCP-871「SCP-871の生成物(再現)を収容している各セル」。

名詞 + 動詞の-ing形で「~している○○」を表すことができるよ。

例:students studying Russian are ~ 「ロシア語を学んでいる学生たちは~である」

 

is to be monitored  SCP-173の記事でこのbe to 構文は覚えたよね。この文でも義務を表していて、「監視されなくてはいけない」

 

わかるよ、みんなfeedって何か説明しろって思ってるっしょ。訳文で「映像」とか適当にぼかして悪かった。

うおとかが愛用しているWeb辞書Cambridge Dictionary によると...

 

web pagescreen, etc. that updates (= changes) often to show the latest information:

ウェブページなどで、最新の情報を伝えるため頻繁に更新されるもの

例文:Your Twitter feed refreshes automatically to show new tweets.

あなたのツイッターフィードは新しいツイートを表示するため自動的に更新されます。

 

なのでこの記事で使われているfeedは監視映像の事です。文脈によって色々な意味になる単語だね。

 

 

Upon creation of an instance of SCP-871, 3 Class D personnel are to be escorted by armed guards to its cell, where they are to be sealed with the instance and induced to consume it. 

SCP-871による生成事象の際、武装した警備員に連れられた3人のDクラス職員が収容セルへ閉じ込められ、生成物を消費するよう求められます。

 

upon「~の際」 

3 class D personnel are to be escorted by armed guards to its cell, where they are to be sealed with the instance and induced to consume itは直訳すると「3人のDクラス職員が武装した警備員によって、彼らが生成物と共に閉じ込められ、それを消費するよう促されるセルへ連れ込まれます」 いくらかの意訳を混ぜて上の訳に落ち着きました。

 

No more than one hour may be spent performing this task. 

この作業を完了するのに1時間はかかりません。

 

シンプルだね。may は「おそらく」という推量を表しています。

 

In cases where additional motivation is needed, the termination of one of the Class D personnel assigned to an instance of SCP-871 is authorized. 

追加の動機付けが必要な場合、この作業に割当てられたDクラス職員一名を解雇することが認められています。

 

in cases「~の場合において」  どんな場合か説明するのが関係代名詞whereに続くadditional motivation is needed。motivationモチベーションは日本語にも定着している言葉だね。

therminationは「終了」 財団用語で「終了」「解雇」は「殺害」を意味しています。どちらを用いるかはケースバイケースで厳密な基準はありません。ただ「解雇」は財団職員にしか用いないかな。「終了」は財団職員、一般人共に使うね。

class D personnel assigned to an instance 上で名詞+動詞-ing形をやったけれど、この文のように名詞+動詞過去分詞形も用いることができます。前者は能動、後者は受動。 

この長い文を分割すると

{(In cases) (where additional motivation is needed)}, {(the termination of one of the Class D personnel) (assigned to an instance of SCP-871)} is authorized.  かな

 

 

Upon completion of the consumption of an instance, no participants may exit the cell until both they and the room have been thoroughly searched to confirm that no portions remain. 

生成物消費作業の完了後、在室者及び室内に生成物が一片も残っていないことを確認するため、室内が徹底的に捜索されるまで彼らの退出は認められません。

 

また分割しつつ見ていこうか。

まずUpon completion of the consumption of an instanceでその後に続く文がどういう状況で適用されるか説明してるね。そしてno participants may exit the cell「参加者がセルから出ることはできない」     それはいつ?

until both they and the room have been thoroughly searched   theyはparticipantsを指してるね。「彼らと室内の両方が徹底的に捜索されるまで」    何のために?

to confirm that no portions remain

一欠片も残っていないことを確認するため。

Confirmという単語はほら、利用規約とか読まされた後押すボタンに書かれてるよね。

オーケー、次でラストだよ!

 

 The platter, table, and room are then to be cleaned in preparation for the next instance.

その後プレート、テーブル、室内は次回の生成事象に備えるため清掃されます。

 

なんか変なところにthenが挟み込まれてるけどこのthenは「その時、そしたら」。この文では前文の事だね。「室内の確認が終了し、在室者が退室したら」

間に割り込まれてるけどここのare to be cleanedもbe to be構文で「清掃されなくてはいけない」 シンプルな一文だね。

 

 

見返してみよう!

 

Special Containment Procedures:Each recurrence of SCP-871 is to be maintained within a separate, locked concrete cell on a metal platter permanently affixed to the surface of an immovable wooden table. Each cell housing a recurrence of SCP-871 is to be monitored on a 24-hour basis via closed-circuit camera, with individual feeds checked every 15 minutes.

Upon creation of an instance of SCP-871, 3 Class D personnel are to be escorted by armed guards to its cell, where they are to be sealed with the instance and induced to consume it. No more than one hour may be spent performing this task. In cases where additional motivation is needed, the termination of one of the Class D personnel assigned to an instance of SCP-871 is authorized. Upon completion of the consumption of an instance, no participants may exit the cell until both they and the room have been thoroughly searched to confirm that no portions remain. The platter, table, and room are then to be cleaned in preparation for the next instance.

 

特別収容プロトコル:SCP-871の各生成物は、移動不可能な木製のテーブル上に固定された金属製プレートの上で、分割、施錠されたコンクリートセルの中に収容されます。SCP-871を収容する各セルは24時間体制で有線カメラによって監視し、各映像は15分毎に確認します。

SCP-871による生成事象の際、武装した警備員に連れられた3人のDクラス職員が収容セルへ閉じ込められ、生成物を消費するよう求められます。この作業を完了するのに1時間はかかりません。追加の動機付けが必要な場合、この作業に割当てられたDクラス職員一名を解雇することが認められています。生成物消費作業の完了後、在室者及び室内に生成物が一片も残っていないことを確認するため、室内が徹底的に捜索されるまで彼らの退出は認められません。その後プレート、テーブル、室内は次回の生成事象に備えるため清掃されます。

 

ふぃ~  長くなったけどお疲れ様。甘い物食べて続きもがんばろ~

 

SCPで英語を読もう:第三回 SCP-173(後編)

あい~  それじゃあ今日はSCP-173最終回、行ってみよー(CV.猫宮ひなた)

 

 

まずは原文

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside. This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood. Origin of these materials is unknown. The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

 

いや~だいぶ進んだね。単語をチェックしてみよう。

 

scrap    擦る

within    の範囲内で

present   現在

consider      考察する

behaviour     行動

acting    代理

supervisor  管理者

duty     義務

reddish      赤みがかった

substance   物質

combination  混合物

feces       排泄物

enclosure     囲い

 

ちょっと難易度が上がってきたね。うおとかも辞書引きながら頑張るよ。

 

 

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside.

コンテナ内に誰もいない時、コンテナ内部から石を擦る音が聞こえると報告されています。

 

原文では「職員が報告している」と能動だけど今回は「報告されている」と受動で訳してみました。どちらが良いのかわからないけれど、能動、受動を変えると滑らかに翻訳できることがあるので覚えておいてね。

報告されているのはsounds of scraping stone originating。分割して意味を確かめよう。

 

sounds       of scraping       stone originating

音      擦る     石起源の

 

originatingは動詞originate「~に源を発する、起源に持つ」の変化型。SCP-173記事では一番最初に出てきた名詞origin「起源」覚えてるよね。あそこから派生した単語だと想像できる。

withinは前回も出てきた「~の範囲内で」。この場合from within the containerで「コンテナの中から」。

presentは「現在の」という意味だけれどwhen no one is present insideは「誰も内部にいない時」。 「その時点(現時点)で人がいない」という具体性を与えるために使われています。説明わかりづらいよね...。むずかしい...。

 

 

This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

これは正常な状態と考えられており、あらゆる行動の変化はHMCL管理者代理に報告する必要があります。

 

 

Thisは先行する文を指していますね。つまりコンテナ内から音がする事。

considereが「考察する、考える」。受動のbe consideredで「~と考えられています」。

その後も受動表現が出てくるね。should be reported「報告されなくてはいけない」

dutyが「義務」だからon dutyで「義務として」って意味合いかな。

そんな感じで各部分を訳してからうまくまとまるよう繋げたのが上の訳文。勿論様々な訳し方があるから誰がやってもこうなるわけではないし、よりスマートな訳し方を見つけたら是非教えてね。

 

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood.

床に溜まっている赤茶色の物質は排泄物と血液の混合物です。

 

文の半分が主語と長ったらしくなってるけど文法はシンプルだね。

combinationは皆さんご存知コンビネーション。複数のものが混ざっている時に使うよ。化学用語の「化合物」としても用いる単語だけどね。

 

Origin of these materials is unknown.

これらの物質がどこから生じているかは不明です。

 

The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

コンテナ内部は隔週で清掃されます。

 

enclosureは「囲い」 この場合は収容コンテナの事だね。

biはラテン語の数詞bis2を起源に持つ接頭辞。

bicycle:自転車(二輪車

binocular:双眼鏡

などの単語でおなじみかな。

bassisは形容詞系が頻出単語のbasic「基本的な」。on ~basisは「~に基づいて」かな。

 

はい、お疲れ様でした!一歩ずつ進んできたのでもう一度全体を眺めてみよう。

 

 

 

SCP-173.jpg

SCP-173 in containment

Item #: SCP-173

Object Class: Euclid

Special Containment Procedures: Item SCP-173 is to be kept in a locked container at all times. When personnel must enter SCP-173's container, no fewer than 3 may enter at any time and the door is to be relocked behind them. At all times, two persons must maintain direct eye contact with SCP-173 until all personnel have vacated and relocked the container.

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown. It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint. SCP-173 is animate and extremely hostile. The object cannot move while within a direct line of sight. Line of sight must not be broken at any time with SCP-173. Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking. Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation. In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside. This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood. Origin of these materials is unknown. The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

 

 

どうかな?最初に見たときは読めなかった場所も含めて、すっかり理解できるようになったよね。気持ちいい?気持ちいい?

 

一文ずつ翻訳していると木を見て森を見ない状況に陥りがちなので、全体のまとまりを確認することを忘れないよう気をつけよう!

 

 

次回予告

 

次回はSCP-871!

 Self-Replacing Cake  景気の良いケーキ

 

予習しておくもよし、解説を待つもよし。お楽しみに!

SCPで英語を読もう:第二回 SCP-173(中編)

 

前回 はSCP-173の特別収容プロトコルまで読み終えたよね。それじゃあ今日は後半まとめていってみよー....と言おうと思ったけど案外長かったので更に二分割。

 

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown. It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint. SCP-173 is animate and extremely hostile. The object cannot move while within a direct line of sight. Line of sight must not be broken at any time with SCP-173. Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking. Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation. In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside. This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood. Origin of these materials is unknown. The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

 

今日はこの前半を読むことにしましょう。

 

単語

as of yet     今のところ

construct   構成する

reber      鉄筋

trace      痕跡

animate    生きている

hostile     敵対的

assign     割り当てる

one another   お互いに

blink      まばたきする

snap      へし折る

strangulation  絞殺

observe    (規則などに)従う

 

ふう。一度に暗記する必要は無いから、説明を見ながら確認するのに使ってね。

 

それじゃあ本文行ってみよう

 

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown.

概要:SCP-173は1993年にサイト-19へ移送されました。オブジェクトの起源は現在の所知られていません。

 

シンプルだね。シンプル過ぎるので翻訳するときに少し情報を足しても良いかもしれない。Descriptionは「描写、記述」といった単語だけど、SCP報告書のフォーマットとしては「概要」と訳すことになっています。

as of yetと言うのはそのまま「今のところ」と覚えてしまいたい。

 

It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint.

オブジェクトはクライロン社製ペイントスプレーの痕跡が残る、コンクリートと鉄筋から構成されています。

 

主語itはSCP-173のことですね。 be+constructedで「構成される」という受動表現。Krylonはペイントスプレーの会社。会社名や商品名を見た時に、「あ、これは固有名詞だな」とわかるようにしておきたい。うちの大学ではTOEICの授業で、「Wedgewoodのコンロ」を「木製のコンロ」と勘違いしてクラスの殆どの人が問題間違える場面があったり。

 

SCP-173 is animate and extremely hostile.

SCP-173は生きており、非常に敵対的です。

 

 

ラテン語で命を意味するanimaから派生したanimateは「生命を持っている」という形容詞ですね。animateは同じ形で動詞としても用いるけど、その場合は「命を吹き込む」という語になります。接尾辞を付けて名詞にしたのがanimation。

extremelyは頻繁に使うけど「極度に」。書き言葉だけでなく口語で「めっちゃ」ってニュアンスでも使うよ。そしてhostile。これはあまり見かけないかもしれないけど、ラテン語で敵を意味するhostisが語源だね。SCP記事ではしばしば出てくるからすぐ覚えられると思う。

 

 

The object cannot move while within a direct line of sight.

オブジェクトは直視されている間、動くことができません。

 

while      within             a  direct  line  of  sight

の間 の範囲内で ← 直接の視線

ここは少し英語と日本語での考えが違うかな。上の二つの文、意味は同じなんだけれど、日本語では「直視されている間」という時間的な区切りで表現しているよね。英語は「直接の視線に捉えられている限り」、つまり空間的なイメージで説明されていると対比できる。ここは説明する事自体が難しくてごめんねぇ。もしわかってくれる人いたら嬉しい。

 

 

Line of sight must not be broken at any time with SCP-173.

SCP-173から目を離してはいけません。

 

line of sightは「視界の線」つまり視線。be brokenと受動表現で表されてるね。

直訳すると「SCP-173との視線は常に壊されてはいけません。」滑らかにするため意訳するとまあ上の日本語訳に落ち着くんじゃないかな。

 

Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking.

コンテナへの立ち入りに割り当てられた職員は、まばたきをする前にお互いに警告し合うよう指示されます。

 

主部が長いね。Personnel assigned to enter containerまでで文の主語になってます。まずPersonnel、そしてそれがどんなpersonnelか説明するのがassigned(割り当てられた)to enter container(コンテナへ立ち入ること)

instructは「指示する、指導する」という動詞。受動のbe instructed toで「~するよう指示される」という形だね。

alertは「警告する」という動詞。ただalertは「警告」という名詞としても使うよね。語の形から動詞か名詞か形容詞か...とかが判断できないのが英語の面倒くさいところ(愚痴) 

one another   これはeach otherと同じ意味です。「お互いに」

blinkingは「瞬きする」という動詞blinkに-ingが付いた動名詞形だね。

 

 

Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation.

オブジェクトは頸部の圧断、絞殺などの方法で攻撃すると報告されています。

 

snapを上手く訳せなくて既存の翻訳から「圧断」という言葉を拝借しました。「へし折る」って意味なんだけどこの文体に合う言葉が思いつかなくて...。辞書から引いた言葉をただ並べるんじゃなく文体に沿って組み立てていくのが翻訳の難しさ。一番楽しいところでもあるんだけどね。

文を読む時は要素ごとに区切ってみるとわかりやすくなります。

(Object) (is reported) (to attack) by (snapping the neck at the base of the skull), or by (strangulation).   紙に書き込める人はそれぞれ違った色のペンで囲ったり下線を引いたり工夫してみてね。

お次でラスト!

 

In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

攻撃事象の際、職員はクラス4ハザードオブジェクト収容プロトコルに従うこととなっています。

 

eventは「イベント」の事だけど、日本語で使われるのより意味が広く、「出来事」「事象」といった意味合いで使われますね。

personnel are to observeという be+to+動詞という構文が使われています。これはいくつかの意味を持つ構文なんだけど、この場合は「~しなければならない」という義務でしょうね。

一番やっかいなのがClass 4 hazardous object containment procedures!これをどう区切るべきかは神のみぞ知る、かな。

Class 4 hazardous object・ containment proceduresなら「クラス4ハザードオブジェクトの収容プロトコル

Class 4 ・hazardous object containment proceduresなら「クラス4のハザードオブジェクト収容プロトコル

ハザードは日本語に訳しづらいけど、意味としては「危険」かな。文中のhazardousは名詞hazardの形容詞形。-ousという接尾辞で形容詞化するのはdanger・dangerous(デンジャー、デンジャラス)、humor・humorous(ユーモア、ユーモラス)などは見たことあるかな。

 

お疲れ様!次回は残った2段落を読んで、全体をまとめて眺めてみよう。

SCPで英語を読もう:第一回 SCP-173

Добрый вечер! うおうおです。

みなさん、英語何年勉強しました?日本人の多くは英文法かなり知ってるんですよね。多分そこらのネイティヴより。

にもかかわらず英語の運用能力に不安を持つ人が多いのは単純に英語を用いる機会が少ないから。沢山英語に触れて慣れ親しみましょう!  ってどの本にも書かれてますよね。

 

じゃあ何読むの?

一番効率の良いやり方は、既に母語で読んでいて内容を把握している文章を英語で読んでみること。

ぼくもハリーポッターを原語で読んでみたり、日本アニメの英語吹き替え版を観たりしてました。既に内容を知っているという事は、読む上での足がかりが用意されているという事です。

眼の前に広がったテキスト全てに同じ集中力を払って読み進めていくのは、たとえ母語であっても労力が必要な作業です。文章の中には確実に掴まなければならない情報と、それらを繋ぐ、新しい情報としての価値が薄い部分が混在しています。つまり情報価値にムラがあるわけで、どこに意識を集中して、どこは読み流すべきかという点が事前に把握できていれば効率よく読み進めることができます。

 

ちょっと脱線しましたね。初回だし許してちょんまげ

 

なぜSCPを読むか?

上述したとおり、文章を読み進めるには足がかりが必要です。SCPやWikipediaはどの記事も決められた形式に従って書かれています。これが英語学習者にとって助けになるポイントです。

これについては実際にテキストを読み進める上でわかってくるでしょう。SCPでもTaleなどを訳すのは、決められた形式が無い分難易度が上がります。

はい、お待たせしました。それじゃあ第一回は勿論この人(?)SCP-173!

 

・まずは原文を眺めよう

 

SCP-173.jpg

SCP-173 in containment

Item #: SCP-173

Object Class: Euclid

Special Containment Procedures: Item SCP-173 is to be kept in a locked container at all times. When personnel must enter SCP-173's container, no fewer than 3 may enter at any time and the door is to be relocked behind them. At all times, two persons must maintain direct eye contact with SCP-173 until all personnel have vacated and relocked the container.

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown. It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint. SCP-173 is animate and extremely hostile. The object cannot move while within a direct line of sight. Line of sight must not be broken at any time with SCP-173. Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking. Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation. In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside. This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood. Origin of these materials is unknown. The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

 

SCP-173(日本支部記事)

SCP-173(財団本部記事)

 

あの、今コピペしてめっちゃびっくりしたんだけど。これ画像含めて形式そのままコピーされるんですか?技術の進歩すげえ。

さて、どうだった?文系大学生なら大体の意味は汲めただろうけど、全ての単語をカバーできた人は少ないんじゃないかな。

SCPを読むときの癖の強さとして、やっぱり科学、軍事関係の普段見かけない単語が頻出する点があるかな。ただ何回も出てくる単語はすぐに覚えられるから、最初に単語を調べる労力さえ惜しまなければ、「SCP語」は比較的早く習得できるよ。この記事シリーズでは馴染みの薄そうな単語は解説していくので、SCPに手を出す取っ掛かりになったら嬉しいな。

 

さて、全文通し読みするとちょっぴり長くなりそうなので二分割。この記事では特別収容プロトコルを読んで、概要は次回に回そうか。

 

・今回の単語

Containment               収容

Procedure                   手順

Kept                             keepの過去分詞

Container                    コンテナ

Personnel                    職員

Maintain                       維持する

Vacate                          立ち退く

 

リストが整ってなくてごめん。なんかはてなブログの編集画面TABキー使えない。

少し単語を見てみようか。1つ目はcontain。この文の中ではcontainment、containerという2つの名詞が使われてるね。これらはどちらも動詞containから派生したもの。containは「収容する」という動詞だよね。-mentという語尾が付くことで「収容すること」、-erが付くことで「収容するもの」になります。こういった変化(接尾辞)はみんなどこかで見てると思う。

英単語は語幹を見ると面白いし、結合の仕組みを知ることでラクに語彙を増やせるから、楽しんで英語を覚えたい時には意識してみよう。上のリストを例に取ってみると...

personnel と関係を持っていそうな単語は? みんな知ってる通りpersonだよね。意味の繋がりも想像しやすいと思う。

じゃあvacateは? これは少し意味の繋がりに飛躍を感じるかもしれないけど、休暇を意味するvacationという名詞があるよね。vacateは「立ち退く、場所を空にする」という意味だから、なんとなく関係は想像できそうかな。

 

・本文に行こう

さて、初っ端から「SCP語」が出てきたね。Special Containment Procedures は意味を並べれば「特別 収容 手順」。これで意味は正しく翻訳されたけれど、SCP記事では「特別収容プロトコル」と訳すのが”お約束”になってます。こういった用語を身に付けることで財団らしい文体を習得できるので、頑張って覚えようね。

このSpecial Containment Proceduresを略すとSCP。財団はこの言葉遊び(?)を好みます。ちなみに公式にはSCP財団はSecure, Contain, Protectの頭文字(アクロニム)とされてるよ。

このお遊びが一番発揮されているのは財団フロント企業。財団が存在をカモフラージュしながら社会に関与する時その窓口となる存在だね。例えば...

Soap.jpg

死体石鹸ならおまかせあれ!

 

勿論日本支部も持ってるよ。

   滋賀中央森林公園(Shiga Central-woodland Park)

自分が記事を書くときに新しく考えるのも楽しいね。

 

 

閑話休題

本文に戻りましょう。

 

Item SCP-173 is to be kept in a locked container at all times. 

SCP-173は施錠されたコンテナに常時収容されます。

 

be+過去分詞は高校受験で頑張った受動表現だよね。keptはkeepの変化型でbe keptは「留め置かれる」。ここは多少意訳して「収容」という言葉を使いましょう。

滑らかに翻訳するには上手に意訳する必要があるんだけど、どこまで自由に解釈して良いのかは常に悩みどころ。やり過ぎると原文を無視した誤訳になっちゃうからね。

 

When personnel must enter SCP-173's container, no fewer than 3 may enter at any time and the door is to be relocked behind them.

 SCP-173の収容コンテナに職員が立ち入る必要がある場合、必ず三人以上で入り、入室後にドアを施錠しなければいけません。

 

ちょっと一文が長めだね。文の前半部分は問題なく読めるかな?

no fewer than 3 も大丈夫かな。fewerは形容詞few(少ない)の比較級。fewer than 3は「3人より少ない」で、その前にnoが付いてるから意味は反対になって「3人よりも多く」。

mayはcanと同じく可能を表すから、may enterで「入ることが出来る」

at any timeは「常に」、文脈によっては「必ず」と意訳しても許されるかな。

その後出てくるのはまた受動表現、to be relocked「再び施錠される」。上で接尾辞を取り上げたけど、今回出てきたrelockは接頭辞re-がついて動作の繰り返しを表してるね。このあたりの表現はみんな感覚として身についてるんじゃないかな?

続いてこの段落最後の文。

 

At all times, two persons must maintain direct eye contact with SCP-173 until all personnel have vacated and relocked the container.

全ての職員が退出しコンテナを再び施錠するまでの間、二人の職員は常にSCP-173を直視し続けなければいけません。

 

だから一文が長えっつってんじゃねえかよ(半ギレ)

maintainは「設備を維持する」みたいな感じでよく使う動詞だけれど、この場合維持するのはdirect eye contact with SCP-173 つまり「SCP-173を直視し続ける」と訳せますね。

さて、until以降は動詞が完了体になってます。正直ぼくこの完了体がめっっっちゃくちゃ苦手でさ...。ただこの場合はシンプル。have+過去分詞で完了体を表していて、この文ではhave vacated「退出”し終わる”」、have relocked「再施錠”し終わる”」という動作の完了を強調して認識してあげようね。

 

ここまでで前半はおしまい。次は「概要」、オブジェクトについての詳細な描写に移ろう。今回は初回というのもあって、本題と逸れた部分が随分あったおかげで文量が増えてしまったけれど、次回からはもう少し読みやすくなるはずだ...多分!

まだ初めたばかりで手探りだから、構成についてとか、解説についてとか、こうした方が良くなるよ!ってアドバイスがあったらコメントでもツイッターでも伝えてね。

それじゃあまたそのうち。ここまで楽しんで読んでくれたなら嬉しいな。


アヤワスカについて:自分用メモ

この記事はあくまで自分用にまとめるためのメモ書きと思って欲しい。ただ、読者が幻覚剤に興味を持つ、または既に関心を持つ者が知的好奇心を満足させる助けになる事があればそれは嬉しく思う。

 

名称

アヤワスカエクアドルボリビア、ペルー、コロンビアで用いられる名称の一つ。ケチュア語由来。Banisteriopsis caapi自体、またそこから作った液体を指す。

ケチュア語 アヤ:「魂」「死体」 ワスカ:「つる」「ロープ」

アヤワスカは「死のつる」「魂のつる」など様々に訳される。

ブラジルではcaapi、cipó  cipóはポルトガル語で「つる」

エクアドル=ペルー国境に住むアチュア族、シュアール族(ヒバロJívaroの名は蔑称)はnatemと呼ぶ

ペルーのシャラナワ人はショリと呼ぶ

 

製法

Banisteriopsis caapiをサイコアクティブ植物数種と煮込む。Psychotria viridisケチュア語チャクルーナ:チャクルイが「混ぜる」を意味する動詞)Diplopterys cabreranaケチュア語チャリポンガchaliponga、チャグロパンガchagropanga)

 

DMTを含まないレシピもある。

Psychotria viridisの代わりにJusticia pectoralis(tilo)、Brugmansia、mapachoルスティカたばこ←たばこ自体にMAOIとしての作用?

 

 *余談

ヨポAnadenanthera peregrina:根皮、豆に5-MeO-DMT、豆と草体にブフォテニン、全草にDMTを含有。ヨポはスナッフとして利用するが”アヤワスカのいとこ”と呼ばれることがある。Yopo: the Ancient Amazonian DMT Snuff

 

 

薬理

基本原理はDMT+MAOI  幻覚成分DMT(N,N-dimethyltryptamine)は植物が昆虫への忌避剤としても分泌する。経口摂取する事でモノアミン酸化酵素によって分解。喫煙では阻害されず脳へ届くが他の薬物と同じく有効時間が短い(喫煙で30分程度のトリップ。アヤワスカでは6時間近く続く)。MAOIが上記の分解過程を阻害。

カーピはharmine,、harmaline、tetrahydroharmineを含む。harmine,、harmalineは選択的かつ可逆的なMAO-A阻害剤として機能。一方tetrahydroharmineセロトニン再取り込み阻害剤SRIとして機能。←雑多に煮込む茶ではなく高純度のDMTを用いる場合セロトニン症候群の引き金になり副作用を増す可能性が?

 上記の組み合わせを使えばその他のレシピも生み出せる→アヤワスカアナログ

青井硝子の提唱するアヤワスカアナログはトケイソウをカーピの代わりに用い、それにDMTソースを加える事で幻覚剤を再現する。

海外のアヤワスカアナログで基本とされている組み合わせがペガヌムハルマラ(シリアン・ルー)とMimosa hostilisによるレシピ。 MAOIとしてモクロベミドを摂取すればDMTソースの経口摂取で幻覚剤としての効果を発動させる事ができる(モクロベミド150~300mg)

 

 

 第一稿2018/3/17  今後追記の可能性あり。

 

 参考  

What are Ayahuasca analogues? - Ayahuasca.com

Ayahuasca - Wikipedia