読了:アナル全書
素直に星5つです☆☆☆☆☆
”「ドクター・アナル」と呼ばれるようになることは、断じて、私の職業上の目的のひとつではなかった。”
著者は心理学の博士号を持つアメリカのセックスセラピスト、ジャック・モーリン博士。この本は本当に素晴らしい。少なくとも僕をフォローしてる人たちの必読書として推薦したいものです、マジで。
この本で扱われている分野は信じられないほど広いものです。あくまで「アナル」を一つの共通点としながら、心理学(個人的なもの、社会的なもの)、生理学、具体的なセックス・テクニック、社会学など非常に幅広く取り扱っている。この本を読んで感動したことは二つ。
・アナルについての膨大な情報
・1つのテーマをひたすら深く掘り下げていくということ
まず大切なのはこの本で扱われているのが「健康と快楽」両面であること。ちなみにどちらかといえばアナルの健康についての方がウェイトを置かれている気がします。著者自身ひどい痔に苦しみ、自身のアナルと真摯に向き合うことで克服した経験があるらしい。当然アナルで快感を得たいと思うならばアナルの健康を保たなければならないし、快のイメージを持ってアナルと向き合えば自然とその健康も気遣うことができるわけです。僕もアナニー始めてから痔になったりすること無くなったし。
元々アナルに一家言あるものとしてフォロワーに教授したれと思ってこのブログ作ったんだけどこれ一冊読めとしか言えなくなった。アナルで快楽を得たいという人だけでなく、その健康を維持したいと考える人も読みましょう。
「1つのテーマをひたすら深く掘り下げていくということ」について。
著書の中でも(また巻末の訳者解説でも)しばしば触れられていることだけれど、アナルについての研究というのは全く持って進められていないし、多くの人々はそのテーマに言及することすら忌み嫌う。その中で「アナル全書」と名打たれたこの本は重い責任を背負っていたと思うんです。そして見事期待に応えたわけ。
この本はアナルの健康を維持し、そこから快楽を得るための技法を知り、かつアナルにまつわる歴史、社会、心理、生理などについての知識を身に着けたいという、随分欲張りな要求に応えられる内容となっています。性科学について調べるのはとにかく資料探しが難しい。この本では参考論文や読者がテーマに興味を持った時に読むべき資料まで親切に挙げてくれているので、アナルを始めとして性科学に興味を持つ人々の手引きにもなるはず。
これはテーマがアナルでなくても当てはまるんだけど、一つの物事を深く、深く掘り下げていくと視野が広がっていくんですね。そうして多面的な視界から一つの物事を見ることで、いくつもの見方が出来るようになるんです。この本を読むことで、こういった姿勢がどれだけ有益な結果を生み出すことができるのか、という事がわかるんじゃなかろうかと思います。
結論:読みましょう