SCPで英語を読もう:第二回 SCP-173(中編)

 

前回 はSCP-173の特別収容プロトコルまで読み終えたよね。それじゃあ今日は後半まとめていってみよー....と言おうと思ったけど案外長かったので更に二分割。

 

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown. It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint. SCP-173 is animate and extremely hostile. The object cannot move while within a direct line of sight. Line of sight must not be broken at any time with SCP-173. Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking. Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation. In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside. This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood. Origin of these materials is unknown. The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

 

今日はこの前半を読むことにしましょう。

 

単語

as of yet     今のところ

construct   構成する

reber      鉄筋

trace      痕跡

animate    生きている

hostile     敵対的

assign     割り当てる

one another   お互いに

blink      まばたきする

snap      へし折る

strangulation  絞殺

observe    (規則などに)従う

 

ふう。一度に暗記する必要は無いから、説明を見ながら確認するのに使ってね。

 

それじゃあ本文行ってみよう

 

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown.

概要:SCP-173は1993年にサイト-19へ移送されました。オブジェクトの起源は現在の所知られていません。

 

シンプルだね。シンプル過ぎるので翻訳するときに少し情報を足しても良いかもしれない。Descriptionは「描写、記述」といった単語だけど、SCP報告書のフォーマットとしては「概要」と訳すことになっています。

as of yetと言うのはそのまま「今のところ」と覚えてしまいたい。

 

It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint.

オブジェクトはクライロン社製ペイントスプレーの痕跡が残る、コンクリートと鉄筋から構成されています。

 

主語itはSCP-173のことですね。 be+constructedで「構成される」という受動表現。Krylonはペイントスプレーの会社。会社名や商品名を見た時に、「あ、これは固有名詞だな」とわかるようにしておきたい。うちの大学ではTOEICの授業で、「Wedgewoodのコンロ」を「木製のコンロ」と勘違いしてクラスの殆どの人が問題間違える場面があったり。

 

SCP-173 is animate and extremely hostile.

SCP-173は生きており、非常に敵対的です。

 

 

ラテン語で命を意味するanimaから派生したanimateは「生命を持っている」という形容詞ですね。animateは同じ形で動詞としても用いるけど、その場合は「命を吹き込む」という語になります。接尾辞を付けて名詞にしたのがanimation。

extremelyは頻繁に使うけど「極度に」。書き言葉だけでなく口語で「めっちゃ」ってニュアンスでも使うよ。そしてhostile。これはあまり見かけないかもしれないけど、ラテン語で敵を意味するhostisが語源だね。SCP記事ではしばしば出てくるからすぐ覚えられると思う。

 

 

The object cannot move while within a direct line of sight.

オブジェクトは直視されている間、動くことができません。

 

while      within             a  direct  line  of  sight

の間 の範囲内で ← 直接の視線

ここは少し英語と日本語での考えが違うかな。上の二つの文、意味は同じなんだけれど、日本語では「直視されている間」という時間的な区切りで表現しているよね。英語は「直接の視線に捉えられている限り」、つまり空間的なイメージで説明されていると対比できる。ここは説明する事自体が難しくてごめんねぇ。もしわかってくれる人いたら嬉しい。

 

 

Line of sight must not be broken at any time with SCP-173.

SCP-173から目を離してはいけません。

 

line of sightは「視界の線」つまり視線。be brokenと受動表現で表されてるね。

直訳すると「SCP-173との視線は常に壊されてはいけません。」滑らかにするため意訳するとまあ上の日本語訳に落ち着くんじゃないかな。

 

Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking.

コンテナへの立ち入りに割り当てられた職員は、まばたきをする前にお互いに警告し合うよう指示されます。

 

主部が長いね。Personnel assigned to enter containerまでで文の主語になってます。まずPersonnel、そしてそれがどんなpersonnelか説明するのがassigned(割り当てられた)to enter container(コンテナへ立ち入ること)

instructは「指示する、指導する」という動詞。受動のbe instructed toで「~するよう指示される」という形だね。

alertは「警告する」という動詞。ただalertは「警告」という名詞としても使うよね。語の形から動詞か名詞か形容詞か...とかが判断できないのが英語の面倒くさいところ(愚痴) 

one another   これはeach otherと同じ意味です。「お互いに」

blinkingは「瞬きする」という動詞blinkに-ingが付いた動名詞形だね。

 

 

Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation.

オブジェクトは頸部の圧断、絞殺などの方法で攻撃すると報告されています。

 

snapを上手く訳せなくて既存の翻訳から「圧断」という言葉を拝借しました。「へし折る」って意味なんだけどこの文体に合う言葉が思いつかなくて...。辞書から引いた言葉をただ並べるんじゃなく文体に沿って組み立てていくのが翻訳の難しさ。一番楽しいところでもあるんだけどね。

文を読む時は要素ごとに区切ってみるとわかりやすくなります。

(Object) (is reported) (to attack) by (snapping the neck at the base of the skull), or by (strangulation).   紙に書き込める人はそれぞれ違った色のペンで囲ったり下線を引いたり工夫してみてね。

お次でラスト!

 

In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

攻撃事象の際、職員はクラス4ハザードオブジェクト収容プロトコルに従うこととなっています。

 

eventは「イベント」の事だけど、日本語で使われるのより意味が広く、「出来事」「事象」といった意味合いで使われますね。

personnel are to observeという be+to+動詞という構文が使われています。これはいくつかの意味を持つ構文なんだけど、この場合は「~しなければならない」という義務でしょうね。

一番やっかいなのがClass 4 hazardous object containment procedures!これをどう区切るべきかは神のみぞ知る、かな。

Class 4 hazardous object・ containment proceduresなら「クラス4ハザードオブジェクトの収容プロトコル

Class 4 ・hazardous object containment proceduresなら「クラス4のハザードオブジェクト収容プロトコル

ハザードは日本語に訳しづらいけど、意味としては「危険」かな。文中のhazardousは名詞hazardの形容詞形。-ousという接尾辞で形容詞化するのはdanger・dangerous(デンジャー、デンジャラス)、humor・humorous(ユーモア、ユーモラス)などは見たことあるかな。

 

お疲れ様!次回は残った2段落を読んで、全体をまとめて眺めてみよう。

SCPで英語を読もう:第一回 SCP-173

Добрый вечер! うおうおです。

みなさん、英語何年勉強しました?日本人の多くは英文法かなり知ってるんですよね。多分そこらのネイティヴより。

にもかかわらず英語の運用能力に不安を持つ人が多いのは単純に英語を用いる機会が少ないから。沢山英語に触れて慣れ親しみましょう!  ってどの本にも書かれてますよね。

 

じゃあ何読むの?

一番効率の良いやり方は、既に母語で読んでいて内容を把握している文章を英語で読んでみること。

ぼくもハリーポッターを原語で読んでみたり、日本アニメの英語吹き替え版を観たりしてました。既に内容を知っているという事は、読む上での足がかりが用意されているという事です。

眼の前に広がったテキスト全てに同じ集中力を払って読み進めていくのは、たとえ母語であっても労力が必要な作業です。文章の中には確実に掴まなければならない情報と、それらを繋ぐ、新しい情報としての価値が薄い部分が混在しています。つまり情報価値にムラがあるわけで、どこに意識を集中して、どこは読み流すべきかという点が事前に把握できていれば効率よく読み進めることができます。

 

ちょっと脱線しましたね。初回だし許してちょんまげ

 

なぜSCPを読むか?

上述したとおり、文章を読み進めるには足がかりが必要です。SCPやWikipediaはどの記事も決められた形式に従って書かれています。これが英語学習者にとって助けになるポイントです。

これについては実際にテキストを読み進める上でわかってくるでしょう。SCPでもTaleなどを訳すのは、決められた形式が無い分難易度が上がります。

はい、お待たせしました。それじゃあ第一回は勿論この人(?)SCP-173!

 

・まずは原文を眺めよう

 

SCP-173.jpg

SCP-173 in containment

Item #: SCP-173

Object Class: Euclid

Special Containment Procedures: Item SCP-173 is to be kept in a locked container at all times. When personnel must enter SCP-173's container, no fewer than 3 may enter at any time and the door is to be relocked behind them. At all times, two persons must maintain direct eye contact with SCP-173 until all personnel have vacated and relocked the container.

Description: Moved to Site-19 1993. Origin is as of yet unknown. It is constructed from concrete and rebar with traces of Krylon brand spray paint. SCP-173 is animate and extremely hostile. The object cannot move while within a direct line of sight. Line of sight must not be broken at any time with SCP-173. Personnel assigned to enter container are instructed to alert one another before blinking. Object is reported to attack by snapping the neck at the base of the skull, or by strangulation. In the event of an attack, personnel are to observe Class 4 hazardous object containment procedures.

Personnel report sounds of scraping stone originating from within the container when no one is present inside. This is considered normal, and any change in this behaviour should be reported to the acting HMCL supervisor on duty.

The reddish brown substance on the floor is a combination of feces and blood. Origin of these materials is unknown. The enclosure must be cleaned on a bi-weekly basis.

 

SCP-173(日本支部記事)

SCP-173(財団本部記事)

 

あの、今コピペしてめっちゃびっくりしたんだけど。これ画像含めて形式そのままコピーされるんですか?技術の進歩すげえ。

さて、どうだった?文系大学生なら大体の意味は汲めただろうけど、全ての単語をカバーできた人は少ないんじゃないかな。

SCPを読むときの癖の強さとして、やっぱり科学、軍事関係の普段見かけない単語が頻出する点があるかな。ただ何回も出てくる単語はすぐに覚えられるから、最初に単語を調べる労力さえ惜しまなければ、「SCP語」は比較的早く習得できるよ。この記事シリーズでは馴染みの薄そうな単語は解説していくので、SCPに手を出す取っ掛かりになったら嬉しいな。

 

さて、全文通し読みするとちょっぴり長くなりそうなので二分割。この記事では特別収容プロトコルを読んで、概要は次回に回そうか。

 

・今回の単語

Containment               収容

Procedure                   手順

Kept                             keepの過去分詞

Container                    コンテナ

Personnel                    職員

Maintain                       維持する

Vacate                          立ち退く

 

リストが整ってなくてごめん。なんかはてなブログの編集画面TABキー使えない。

少し単語を見てみようか。1つ目はcontain。この文の中ではcontainment、containerという2つの名詞が使われてるね。これらはどちらも動詞containから派生したもの。containは「収容する」という動詞だよね。-mentという語尾が付くことで「収容すること」、-erが付くことで「収容するもの」になります。こういった変化(接尾辞)はみんなどこかで見てると思う。

英単語は語幹を見ると面白いし、結合の仕組みを知ることでラクに語彙を増やせるから、楽しんで英語を覚えたい時には意識してみよう。上のリストを例に取ってみると...

personnel と関係を持っていそうな単語は? みんな知ってる通りpersonだよね。意味の繋がりも想像しやすいと思う。

じゃあvacateは? これは少し意味の繋がりに飛躍を感じるかもしれないけど、休暇を意味するvacationという名詞があるよね。vacateは「立ち退く、場所を空にする」という意味だから、なんとなく関係は想像できそうかな。

 

・本文に行こう

さて、初っ端から「SCP語」が出てきたね。Special Containment Procedures は意味を並べれば「特別 収容 手順」。これで意味は正しく翻訳されたけれど、SCP記事では「特別収容プロトコル」と訳すのが”お約束”になってます。こういった用語を身に付けることで財団らしい文体を習得できるので、頑張って覚えようね。

このSpecial Containment Proceduresを略すとSCP。財団はこの言葉遊び(?)を好みます。ちなみに公式にはSCP財団はSecure, Contain, Protectの頭文字(アクロニム)とされてるよ。

このお遊びが一番発揮されているのは財団フロント企業。財団が存在をカモフラージュしながら社会に関与する時その窓口となる存在だね。例えば...

Soap.jpg

死体石鹸ならおまかせあれ!

 

勿論日本支部も持ってるよ。

   滋賀中央森林公園(Shiga Central-woodland Park)

自分が記事を書くときに新しく考えるのも楽しいね。

 

 

閑話休題

本文に戻りましょう。

 

Item SCP-173 is to be kept in a locked container at all times. 

SCP-173は施錠されたコンテナに常時収容されます。

 

be+過去分詞は高校受験で頑張った受動表現だよね。keptはkeepの変化型でbe keptは「留め置かれる」。ここは多少意訳して「収容」という言葉を使いましょう。

滑らかに翻訳するには上手に意訳する必要があるんだけど、どこまで自由に解釈して良いのかは常に悩みどころ。やり過ぎると原文を無視した誤訳になっちゃうからね。

 

When personnel must enter SCP-173's container, no fewer than 3 may enter at any time and the door is to be relocked behind them.

 SCP-173の収容コンテナに職員が立ち入る必要がある場合、必ず三人以上で入り、入室後にドアを施錠しなければいけません。

 

ちょっと一文が長めだね。文の前半部分は問題なく読めるかな?

no fewer than 3 も大丈夫かな。fewerは形容詞few(少ない)の比較級。fewer than 3は「3人より少ない」で、その前にnoが付いてるから意味は反対になって「3人よりも多く」。

mayはcanと同じく可能を表すから、may enterで「入ることが出来る」

at any timeは「常に」、文脈によっては「必ず」と意訳しても許されるかな。

その後出てくるのはまた受動表現、to be relocked「再び施錠される」。上で接尾辞を取り上げたけど、今回出てきたrelockは接頭辞re-がついて動作の繰り返しを表してるね。このあたりの表現はみんな感覚として身についてるんじゃないかな?

続いてこの段落最後の文。

 

At all times, two persons must maintain direct eye contact with SCP-173 until all personnel have vacated and relocked the container.

全ての職員が退出しコンテナを再び施錠するまでの間、二人の職員は常にSCP-173を直視し続けなければいけません。

 

だから一文が長えっつってんじゃねえかよ(半ギレ)

maintainは「設備を維持する」みたいな感じでよく使う動詞だけれど、この場合維持するのはdirect eye contact with SCP-173 つまり「SCP-173を直視し続ける」と訳せますね。

さて、until以降は動詞が完了体になってます。正直ぼくこの完了体がめっっっちゃくちゃ苦手でさ...。ただこの場合はシンプル。have+過去分詞で完了体を表していて、この文ではhave vacated「退出”し終わる”」、have relocked「再施錠”し終わる”」という動作の完了を強調して認識してあげようね。

 

ここまでで前半はおしまい。次は「概要」、オブジェクトについての詳細な描写に移ろう。今回は初回というのもあって、本題と逸れた部分が随分あったおかげで文量が増えてしまったけれど、次回からはもう少し読みやすくなるはずだ...多分!

まだ初めたばかりで手探りだから、構成についてとか、解説についてとか、こうした方が良くなるよ!ってアドバイスがあったらコメントでもツイッターでも伝えてね。

それじゃあまたそのうち。ここまで楽しんで読んでくれたなら嬉しいな。


アヤワスカについて:自分用メモ

この記事はあくまで自分用にまとめるためのメモ書きと思って欲しい。ただ、読者が幻覚剤に興味を持つ、または既に関心を持つ者が知的好奇心を満足させる助けになる事があればそれは嬉しく思う。

 

名称

アヤワスカエクアドルボリビア、ペルー、コロンビアで用いられる名称の一つ。ケチュア語由来。Banisteriopsis caapi自体、またそこから作った液体を指す。

ケチュア語 アヤ:「魂」「死体」 ワスカ:「つる」「ロープ」

アヤワスカは「死のつる」「魂のつる」など様々に訳される。

ブラジルではcaapi、cipó  cipóはポルトガル語で「つる」

エクアドル=ペルー国境に住むアチュア族、シュアール族(ヒバロJívaroの名は蔑称)はnatemと呼ぶ

ペルーのシャラナワ人はショリと呼ぶ

 

製法

Banisteriopsis caapiをサイコアクティブ植物数種と煮込む。Psychotria viridisケチュア語チャクルーナ:チャクルイが「混ぜる」を意味する動詞)Diplopterys cabreranaケチュア語チャリポンガchaliponga、チャグロパンガchagropanga)

 

DMTを含まないレシピもある。

Psychotria viridisの代わりにJusticia pectoralis(tilo)、Brugmansia、mapachoルスティカたばこ←たばこ自体にMAOIとしての作用?

 

 *余談

ヨポAnadenanthera peregrina:根皮、豆に5-MeO-DMT、豆と草体にブフォテニン、全草にDMTを含有。ヨポはスナッフとして利用するが”アヤワスカのいとこ”と呼ばれることがある。Yopo: the Ancient Amazonian DMT Snuff

 

 

薬理

基本原理はDMT+MAOI  幻覚成分DMT(N,N-dimethyltryptamine)は植物が昆虫への忌避剤としても分泌する。経口摂取する事でモノアミン酸化酵素によって分解。喫煙では阻害されず脳へ届くが他の薬物と同じく有効時間が短い(喫煙で30分程度のトリップ。アヤワスカでは6時間近く続く)。MAOIが上記の分解過程を阻害。

カーピはharmine,、harmaline、tetrahydroharmineを含む。harmine,、harmalineは選択的かつ可逆的なMAO-A阻害剤として機能。一方tetrahydroharmineセロトニン再取り込み阻害剤SRIとして機能。←雑多に煮込む茶ではなく高純度のDMTを用いる場合セロトニン症候群の引き金になり副作用を増す可能性が?

 上記の組み合わせを使えばその他のレシピも生み出せる→アヤワスカアナログ

青井硝子の提唱するアヤワスカアナログはトケイソウをカーピの代わりに用い、それにDMTソースを加える事で幻覚剤を再現する。

海外のアヤワスカアナログで基本とされている組み合わせがペガヌムハルマラ(シリアン・ルー)とMimosa hostilisによるレシピ。 MAOIとしてモクロベミドを摂取すればDMTソースの経口摂取で幻覚剤としての効果を発動させる事ができる(モクロベミド150~300mg)

 

 

 第一稿2018/3/17  今後追記の可能性あり。

 

 参考  

What are Ayahuasca analogues? - Ayahuasca.com

Ayahuasca - Wikipedia

アナニーのススメ : 道具編

そうだ、アナニーをしよう。

 

先日紹介した「アナル全書」でアナルオナニーの準備、手順について非常に詳しく書かれていますが、なにせアメリカが舞台だし少し情報も古い。ここではアナニーを始めたいと思っているあなたに、必要な道具を具体的な商品名と共にお伝えしたいと思います。ステマじゃないです。むしろ紹介してお金貰いたいんだけどだれかそういうシステム知ってたら教えてください。

・アナニー前の準備

まず洗浄しましょう。アナニーの一番面倒なところですね。ぼくは初めのころエネマシリンジで手稲手稲腸内洗浄を行ってました。

 

エネマシリンジ(多目的洗浄器)

エネマシリンジ(多目的洗浄器)

 

 ただ通常のアナニーは直腸内を軽く流すだけで充分です。最近は30mlくらい入るシリンジでぬるま湯を注入、排出で済ませてます。3回もやれば多分綺麗。ただし汚れたローションが垂れてもよい状態でアナニーしましょう。僕の場合ディルドで激しく出し入れするときは風呂場で、エネマグラなどは部屋でタオルを敷いたうえでやっています。人によっては潮吹きしたりするのでそこで部屋汚して萎えないように。

腸内洗浄に冷水を使わない事。確実にお腹壊します。熱すぎてもそれはそれで少し大変な事になってしまうので、冷たくはない水ってレベルでいいでしょう。内臓は皮膚より敏感だということを忘れずに。イチジク浣腸などグリセリンを使用するのは必要以上に刺激が強く、結腸イキを目指すなど奥まで洗浄する必要があるとき以外はおすすめしません。

 

ローションの選択は非常に大切です。アナル向きのモノを選びましょう。腸の元々の機能は便の水分を吸収する事です。そのためローションもとても乾きやすい。

アナルスライド 220ml merci(メルシー)  https://www.amazon.co.jp/dp/B001J2XXZM/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_Z39GzbD9P4XRE

は通常のローションと同じ成分で粘度が高く、価格も手ごろなのでデイリーユースにお勧め。ただエネマグラやアナルプラグなど長時間利用するものには適しません。そんな時にお勧めなのが

ブランシークレット スタンダード 【シリコンローション】 RENDS(レンズ)  https://www.amazon.co.jp/dp/B00GOPZGAO/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_k79Gzb64BA4S1

 ちょっと高いけど長時間の利用にも耐えて事後に痛みを残さない、アナニー界のやべー奴。上記のアナルスライド含め、多くのローションはシリンジで腸内に直接注入する必要があるけど、これは道具に塗るだけで充分です。なので見た目より長持ちします。

 

触ると血がついてましてね… やった後はどうしても. 痛くなりますね…(重い代償) 潤滑不足です。十分に潤滑剤を使えば健康を損ねることはありません。

 

・挿入しよう

ディルド:

ディルドのサイズは指何本分で考えるとわかりやすいかと思います。人差し指2本入れば直径2.3センチくらい、3本で3.5センチくらいかな?僕が持ってるのはアラブS、みちのくJr.Mサイズ、白い巨根Lサイズでそれぞれ直径2.4、3.4、4センチくらい。人差し指二本はアナルに慣れていなくても入るサイズ、3本までなら特別な拡張なしに十分ほぐせば誰でも入るサイズと一般的に言われているようです。

みちのくJr.Mサイズは日本人の平均サイズ。扱いやすくて初心者からアナニーの経験豊富な人たちにも愛用されているモノ。「白い巨根」は非常に柔らかい素材に芯が入っている構造なのでサイズの割に入りやすくよいです(ダイレクトマーケティング)。

 

前立腺を刺激する:

非電動で殿堂入りしているのがエネマグラですね。いろんなメーカーが出してるけどやっぱりアネロス https://www.aneros.co.jp/で買うべきでしょう。会社の規模が大きいだけあって設計開発から素材までよくこだわって作られています。...といってもぼくプロガスムしか持ってないんですけど。プロガスムは初めてのエネマグラとしてお勧めしがたいモノなのでレビューや商品説明を見ながら選んでみてください。太ければいいというわけではなくて、小さくても中でよく動くか、という事が重要なようです。

電動製品の王道を往くのはNEXUS REVO!いくつかモデルがあるけれどリモコンのついたSTEALTHが圧倒的におすすめです。 https://www.e-nls.com/pict1-41396?c2=9999前立腺をピンポイントにぐりぐり力強く揉み解されるのがどんな感じか、是非商品ページの口コミで確認してください。もし購入して期待に沿えなければなんでもします。買って♥

 2017/8/4

 

 

追記:書きかけで放置していたのでとりあえずそのまま投稿しちゃいます、もったいないので。質問があればコメント欄でもTwitterでもどうぞ。  2018/2/23

読了:アナル全書

素直に星5つです☆☆☆☆☆

 

アナル全書―健康と快楽の知識

アナル全書―健康と快楽の知識

 

 

 

「ドクター・アナル」と呼ばれるようになることは、断じて、私の職業上の目的のひとつではなかった。

著者は心理学の博士号を持つアメリカのセックスセラピスト、ジャック・モーリン博士。この本は本当に素晴らしい。少なくとも僕をフォローしてる人たちの必読書として推薦したいものです、マジで。

この本で扱われている分野は信じられないほど広いものです。あくまで「アナル」を一つの共通点としながら、心理学(個人的なもの、社会的なもの)、生理学、具体的なセックス・テクニック、社会学など非常に幅広く取り扱っている。この本を読んで感動したことは二つ。

 

・アナルについての膨大な情報

・1つのテーマをひたすら深く掘り下げていくということ

 

まず大切なのはこの本で扱われているのが「健康と快楽」両面であること。ちなみにどちらかといえばアナルの健康についての方がウェイトを置かれている気がします。著者自身ひどい痔に苦しみ、自身のアナルと真摯に向き合うことで克服した経験があるらしい。当然アナルで快感を得たいと思うならばアナルの健康を保たなければならないし、快のイメージを持ってアナルと向き合えば自然とその健康も気遣うことができるわけです。僕もアナニー始めてから痔になったりすること無くなったし。

元々アナルに一家言あるものとしてフォロワーに教授したれと思ってこのブログ作ったんだけどこれ一冊読めとしか言えなくなった。アナルで快楽を得たいという人だけでなく、その健康を維持したいと考える人も読みましょう。

 

「1つのテーマをひたすら深く掘り下げていくということ」について。

著書の中でも(また巻末の訳者解説でも)しばしば触れられていることだけれど、アナルについての研究というのは全く持って進められていないし、多くの人々はそのテーマに言及することすら忌み嫌う。その中で「アナル全書」と名打たれたこの本は重い責任を背負っていたと思うんです。そして見事期待に応えたわけ。

この本はアナルの健康を維持し、そこから快楽を得るための技法を知り、かつアナルにまつわる歴史、社会、心理、生理などについての知識を身に着けたいという、随分欲張りな要求に応えられる内容となっています。性科学について調べるのはとにかく資料探しが難しい。この本では参考論文や読者がテーマに興味を持った時に読むべき資料まで親切に挙げてくれているので、アナルを始めとして性科学に興味を持つ人々の手引きにもなるはず。

これはテーマがアナルでなくても当てはまるんだけど、一つの物事を深く、深く掘り下げていくと視野が広がっていくんですね。そうして多面的な視界から一つの物事を見ることで、いくつもの見方が出来るようになるんです。この本を読むことで、こういった姿勢がどれだけ有益な結果を生み出すことができるのか、という事がわかるんじゃなかろうかと思います。

 

 

結論:読みましょう