DXM体験談:ボクが幻覚剤で”曜日”になった話

デキストロメトルファン(DXM)は鎮咳剤としてブロンエースやコンタックなどに使われているのだけど、通常量の数倍摂取すると幻覚作用が現れます。通常量は一回30mgを一日二回って感じかな。過去に二回試したのでその経験を書き残しておこうと思います。

 

ちなみに5ちゃんねるのDXMスレテンプレは

①摂取量 1.5 ~ 2.5 mg/kg. (第1プラトー)
アルコールを中程度摂取した場合に似る。穏やかなエフェクトを体験できる。音楽の聞こえ方や運動感覚の微妙な変化、気分の上昇、(気分により良くも悪くも)若干の酔いが起こる。
(ろれつが回らなくなり)話すのが難しくなる。記憶への影響は通常気づかない程度だが、作用している間の短期の記憶や学んだりすることは難しくなる。
踊ったり音楽を聴くのは楽しめる。ただ、ダンス等の運動のやり過ぎは好ましくない。

②摂取量 2.5 ~ 7.5 mg/kg. (第2プラトー)
①に似ており、より顕著に効果が現れる形となる。
より強い酔いや、物が二重に見えたり、運動感覚の変化、現実からかい離した感覚(この量ではまだ通常の状態を保てる者が多い)、浮遊感やCEV(閉眼時の幻覚)、直前の記憶の健忘が一般的に生じる。多くの者はまだ会話可能である。

③摂取量 7.5 ~ 15 mg/kg. (第3プラトー)
基本的には②を強めた状態になり、解離はかなり生じる。
現実から完全に解離し、時間感覚の変化と強烈な酔いが生じる。
記憶したり認識するといったことはかなり難しくなり、反応速度は極めて遅くなる。
自我はほぼ消えかける(自分自身の行動を遠くから見ているようになる)。慣れてないものはパニックを起こすこともある。
特に解離性薬物に不慣れな者に対しては③以上は極めて強烈で過剰である。
決して公共の場で行ったり、危険な運動はしないこと。

④摂取量 15 ~ 17 mg/kg (第4プラトー)
完全に体から精神がかい離した状態。解離性麻酔を受けている状態。自我は完全に消滅する。身体感覚が全くなくなる。
多くのユーザーにとってこれは過剰ともいえる状態である。
ほぼ、あるいは完全に現実感を失い、緊急の事態に対し全く反応ができなくなるため、アシスタントの存在が不可欠である。

 

との事。ボクの体重は50kgなので、360mgは7.2mg/kg、720mgは14.4mg/kgになります。

 

一回目:360mg

酒に酔ったような酩酊感。吐き気は特になし。

手足が異常に軽く、棒人間になったような感覚。そのため歩き方がめちゃくちゃになる。壁に手をつきながらトイレへ行く。

目をつぶって音楽を聴くと自分が溶けて音楽と混ざり合うのを感じた。

物が二重に見える。閉眼幻視は無し。

携帯画面がやけに大きい。手が思い通りに動かないのでパスコードを何度も打ち間違える。

 

こんな感じ。現実から離れる事もないので、感覚の変化と酩酊感を楽しむレクリエーショナルなトリップ。身体への負担に見合うとは思わないので今後やるつもりは特にない。

 

二回目:720mg

飲んでしばらくしてから酩酊感と吐き気。

気が付いたら”曜日”になっていた。

今日のボクは木曜日。カレンダーがめくられると金曜日になる。ただ曜日という概念。

思考も感情も(当然曜日には)無く、ただ曜日として二週間ほど過ごした。

言語化するのは完全に不可能だし自身で思い出す事も難しいのだけれど、唯一視覚的イメージとして残っているのは、ロンドンの古びたバーの隅に掛けられている日めくりカレンダー。おじいちゃんのマスターがそれをめくるたびに、ボクは次の曜日になる。

現実世界で服用から5時間後、自分の部屋で目を覚ます。天井、照明。「知らない天井だ...。」人間としての自我がまだ取り戻されていない。

床に敷いた布団の上で身体を起こす。おそらく眼圧が上がっているためか視界は奇妙に歪んでいる。歪んでいるという言葉は適切ではないかもしれない。DMTやLSDのように物の輪郭が曲がっているのではなく、割れたガラスを通して見るように、視野のつじつまが合っていない。ベッドの真っすぐな柵は右からは床と平行に、左からは45°傾いているため中央では噛み合っていない。医学的知識が無いのだけれど、左右で眼圧が異なっているためじゃないかと思う。

枕元にゲロ用のボウルを置いていたけれど、その下に丁寧に吐いていた。ボウルをどかして吐いてから元の場所に戻したようにしか見えないけれど、記憶は無い。

声を出すと面白い。普通発声するには脳で言葉を考えて、肺からの息で声帯を震わせ...という一瞬のタイムラグがあるのだけれど、今は何かを言おうとした瞬間に言葉が出る。

身体感覚の変化は360mgの時より激しく、立っているのか這っているのかわからない状態でトイレへ行く。

ちなみに高用量で幻覚剤を用いる際にはおむつを着けておいた方が良い。この時も着けていたけれど、歩く余裕があったのでトイレへ行った。

相変わらずスマホを操作するのは難しい。そのためDMTの時と違ってトリップ中のメモは無い。

DMTと同じ脳がピリピリする感覚があったので、目を瞑るとわずかに閉眼幻視。暗い色の単純なパターンが見えた。アイヌ模様に近いが特に面白みは無い。

 

 

こんな感じでした。「銀河を旅する」との経験談を聞いていたけど「曜日になる」だけだったし、離人症にもならなかった。DMTは様々なサイケデリックなビジョンや宇宙に翻弄され、現実世界から離れる時も神秘的でファンタスティックな経験が多いけれど、DXMは「曜日になる」というあまりにも不条理なカフカ的経験が出来たのでまあ面白い体験ではありました。もう一度ゲロ吐きながら曜日になりたいとは思わないけれど。

身体への負担がかなり大きそうに感じました。以上。

 

質問があればコメントでもツイッターでも。

 

2019/06/08